障害者就職支援A型の現場をお届けします!チームでつくる巾着制作

就労継続支援A型事業所のものづくりの制作物を紹介します!

就労継続支援A型事業所で制作されたネコ柄巾着がテーブルに並んでいる様子

 


就労継続支援A型事業所は、一般企業との雇用契約を結びながら働くことができる制度として、全国各地で広がりを見せている。障害や体調に配慮しながらも安定した就労を実現できる仕組みとして、多くの人が関心を寄せている分野だ。今回は、大阪の就労継続支援A型事業所のMirrime zer0(ミライム ゼロ)で行われている「巾着制作」の現場を訪れました。

テーマは“チームでつくる”。

日々の制作活動の中で、どのように利用者さんが役割を担い、完成までのプロセスを共有しているのかを追った。

ネコ柄の巾着づくりに込められた技術と工夫

この日の制作テーマは、ネコ柄の巾着。裁断台の上には、カラフルなネコのプリント生地が並んでいる。毛並みの描かれ方や背景の色合いによって、仕上がりの印象が変わるため、素材選びの段階からチーム全員で確認を行う。

「どの部分を表に出すか、考えるのが楽しいんです。」と話すのは、裁断担当の利用者さん。同じ柄でもカットの位置が違うだけで、まるで別のデザインに見える。こうした細部への配慮は、就労支援A型の現場で培われた集中力と経験によるものだ。


ネコ柄の布地素材が机の上に並んでいる様子
ネコ柄の素材を確認しながらカット位置を相談する。
 

就労継続支援A型事業所の作業台に並べられたネコ柄のコットン生地。利用者さんたちはプリントのバランスや色味を見比べながら、制作する巾着の構成を考えていく。この段階での判断が、仕上がりの印象を大きく左右する。



“作業”から“制作”へ——手の動きに宿る精度


巾着づくりの工程は、裁断から縫製、仕上げまでの一連の流れで構成されている。ミシンの音が響く中、それぞれの持ち場で作業が進む。まっすぐ縫うこと、縫い代を一定に保つこと、糸の張りを確認すること。どれも単純なようでいて、実は高い集中力を必要とする。

「前よりも、少しだけ速く、でも正確に縫えるようになった気がします。」そう語るのは縫製担当の利用者さん。彼らにとって制作とは、毎日少しずつ上達を感じることの積み重ねでもある。A型事業所の環境では、ミスを責めるのではなく、どう改善するかを一緒に考える。それが、この現場の空気を穏やかに、そして前向きにしている。


ネコ柄の布地をアップで撮影した写真
ネコ柄のプリント。
 

細かいステッチが整然と並ぶネコ柄の生地。巾着の縫製では、プリント位置を意識しながら縫い合わせることが求められる。ミシンの針の通り方ひとつで、完成時の印象が変わるため、利用者さんの集中は高まる。



チームで進める制作プロセス

就労支援A型の現場では、一人ひとりの得意分野を活かすチーム体制が敷かれている。裁断・縫製・検品・仕上げ・梱包——それぞれが異なる役割を担いながら、最終的な完成を目指す。工程ごとに担当を分けることで、効率的でありながらも、誰かの作業が他の人の成果につながる設計になっている。

制作を分担することで、自分の工程が全体の中でどんな意味を持つのかが見えやすくなります。小さな成功を積み重ねることが、モチベーションにもつながっています。この考え方は、就労継続支援A型事業所の特徴のひとつ。生産性よりも“プロセスの共有”を重視する姿勢が、現場の一体感を生んでいる。


完成したネコ柄巾着がテーブルに整然と並んでいる様子
完成した巾着を並べて検品中。
 

仕上がったネコ柄巾着を、利用者さんと職員が一緒に確認する場面。縫い目の整い具合やタグの向きなど、品質チェックを丁寧に行う。完成品が並ぶテーブルの上には、チームで取り組んだ時間の積み重ねが表れている。




利用者さんの声
巾着が完成したときに、みんなで『できたね』って言えるのが嬉しいです。



制作に参加する利用者さんは、作業そのものだけでなく、完成を共有する瞬間を大切にしているという。完成品を販売するオンラインページの更新も楽しみのひとつだ。“自分の作ったものが誰かの手に届く”という実感が、日々のやりがいにつながっている。

また、在宅勤務での作業にも取り組む利用者さんもいる。大阪の就労継続支援A型事業所として、在宅環境でも安定した就労をサポートする仕組みが整っており、自宅での裁断や袋詰めなどの工程も可能になっている。


職員の吉留さんは、日々の現場の様子をそう語る。技能の習得だけではなく、報告・相談・確認といったコミュニケーションの積み重ねが信頼関係をつくる。一人のミスがチーム全体の課題として共有され、改善策が自然に生まれていく。そこには、“働く”という行為を支援とともに再定義していく空気があります。

職員の声
チームの中で互いに教え合う姿を見ると、成長のサイクルができていると感じます。


“働く”のかたちを再設計する

就労継続支援A型事業所の現場では、「誰かの得意」が全体を支えている。それは単なる役割分担ではなく、個々の力を組み合わせて成果を生み出す仕組みだ。ネコ柄巾着という小さな製品の中にも、利用者さんたちの丁寧な作業と、職員の伴走的な支援が重なっている。

ものづくりは単に生産の手段ではなく、働く喜びを再構築する行為でもある。大阪での現場を通して見えるのは、“支援”という言葉に留まらない協働の形だ。A型事業所の現場には、働くことの多様性とリアルが詰まっている。

見学のご案内

就労継続支援A型事業所のMirrime zer0(ミライム ゼロ)では、就労継続支援A型の見学を随時受け付けています。ものづくりや制作活動に興味がある方、在宅勤務を検討されている方もお気軽にご相談ください。見学では、利用者さんの制作工程や、就労支援A型の特徴について職員が丁寧にご案内します。

大阪エリアで就労継続支援A型事業所をお探しの方は、ぜひ一度見学にお越しいただき、現場の空気を体験してください。お気軽にお問い合わせください。


利用検討者向けお問い合わせ案内


就労継続支援A型事業所 Mirrime zer0
【電話番号】090-3063-7318
【メールアドレス】info-mirrime-zero@jobconnect.jp